渋谷・松濤のセラピールーム「Heart Retreat」のブログです。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Posted by ハート・リトリート
 
[スポンサー広告
あなたは決して悪くない ~子どもへの性的虐待~
今日のYOMIURI ONLINEに以下の記事が掲載されていました。


性被害、親に言えず…教え子暴行発覚せず20年
 福岡県内で英会話学校を経営する米国人の男(70)による婦女暴行事件で、男が20年以上前から、気功や催眠術と称して、わいせつ行為を繰り返していた可能性があることが、複数の元教え子の証言でわかった。

 中学生の時に胸を触られたという県内の30歳代の主婦は「嫌でたまらなかったが、親に心配をかけたくなかったし、性的な話をすること自体恥ずかしかった」と打ち明ける。こうした被害者心理が、男の行為が長年明るみに出なかった一因にもなっており、専門家は「子どもは性被害を言い出せないケースが多い。日常会話や表情といった小さなサインから異変を感じ取れる親子関係の構築が大切」と指摘する。続きを読む(2010年5月10日09時10分 読売新聞)




この記事で憤りを感じたのは、「催眠術(催眠療法)まがいの行為」が
この鬼畜男の性的満足に使われていたということ。
こういった虐待や詐欺まがいの事件が起こるたびに、日々研鑽を積んでいる
多くのセラピストが誤解を受けるのです。何てくやしいことか。

そして、20年もの長い間、何人もの子ども達がこの男の被害に遭いながら、
誰にも打ち明けられず、心に深い傷を負っていたということ。

「毒になる親」(スーザン・フォーワード・玉置悟(訳)/毎日新聞社)という本の「性的な行為をする親」の項にこのようにあります。


近親相姦(的行為)の被害者の子どもの90%は、何が起きたのか(または現在何が起きているか)ということについて人に語ろうとしない。その理由には、自分が傷つくことを恐れているということもあるが、親が困ったことになって家庭が崩壊してしまうことを非常に恐れるからである。親からそのような行為をされるのはいくら恐ろしいことだとしても、自分がしゃべったらそれが原因で家の中がめちゃめちゃになってしまうと思うと、もっと恐ろしいのである。どんなにひどい家であっても、家が平和であることはほとんどの子どもにとって驚くほど大切なことなのだ。
(中略)
「体に感じる不潔感」「いけないことをしているという意識」「自分のせいという意識」この三つの意識のため、被害者の子どもは事実を誰にもいうことが出来ず、極度に孤立していく。
(中略)
そしてもうひとつ重要なことがある。もし被害者の子どもがいくらかでも肉体的な快感を感じていたとすると、その子どもの羞恥と不潔感は倍増してしまうということである。子どもの時に被害にあっていた人のなかには、それがいかに忌まわしい事件であったとしても、その時には性的な高まりを覚えたという証言をする人もいる。そういう場合には、被害者は成長した後も「自分は被害者であり、事件の責任はない」と声を大きくして発言することはさらに難しくなる。
(中略)
刺激に対して体が快感を感じるのは、ひとつもいけないことではない。(中略)あなたがどのように感じようが感じまいが、あなたは被害者であり、あなたにそのような行為をした責任のすべては、大人である親のほうにある。



上記の文章は「親による子どもへの性的虐待」のケースを書いたものですが、
子どもが事実を話さない理由は、信頼している相手(先生、知人、近所の人等)からの
性的虐待にも当てはまる部分が多いように思います。

子どもは自分が遭った被害体験以上に、これから起こるかもしれないことについて
想像し、小さい胸を痛めます。
「自分が言うことが信用されなかったら」「誰かにいいつけることによって、
もっと酷い目に遭わされたら」「告発した大人(例えば母親)が他の大人(父)から
罰せられるようなことがあるかもしれない」などと思い悩み、そして、最終的に
話さないことを選んでしまうのです。

このように自分を責め、自分を卑下せざるを得ない子どもの心に大きなトラウマが
生じてしまうのは想像に難くありません。
長い間、もしかしたら一生、自分を「汚れたもの」として否定し続ける可能性も
あるのです。

もし、同じような苦しみを抱えた方がこのページを読んでいたら、伝えたい。

あなたは決して悪くないのです。

私には何か出来たはず。
なぜ何もしなかったの?なぜ嫌って言えなかったの?

もう、そんな風に自分を責めなくていい。
小さかったあなたには何の責任もない。何も出来なくて当然だったのです。
なぜなら、あなたは常識ある大人によって「守られるべき小さな子ども」なのだから。

何かを出来なかった自分を責め続けるのはやめて、
今日まで頑張ってきた自分を認め誇りに思ってください。
大きな、大きな困難に立ち向かってきた自分。
あなたは、一人で乗り越えてきたのです。

あなたは決して悪くないのです。


スポンサーサイト
Posted by ハート・リトリート
comment:0   trackback:0
[虐待]  thema:心と身体 - genre:心と身体
プレシャス
ゴールデン・ウィークもあっという間に終わりましたね。
毎日いいお天気でした。みなさんはどんな風に過ごしましたか?

私は久しぶりに映画を見てきました。「プレシャス」です。

プレシャス

本作は今年のアカデミー賞2部門でオスカー受賞を果たしたので、ご覧になった方もいるかもしれません。

あらすじをご紹介すると、舞台は1980年代のハーレム。
主人公プレシャスは16歳にして二人目の子どもを妊娠中です。
子どもの父親は、両方ともプレシャスの実の父親。
父親がプレシャスに行った性的虐待によって授かった子どもなのです。
母親はそんなプレシャスを守るどころか、父親の行為を容認、
堕落した貧困生活を送り、虫のいどころが悪ければ、容赦なく
肉体的・精神的虐待を加えます。

父親に辱められている時、母親から罵詈雑言を浴びせられるとき、
プレシャスの意識は空想の世界へ飛翔します。
空想の世界のプレシャスは、デブでもブスでもバカでもなく、
セクシーで素敵な男性から甘い言葉をささやいてもらえる
魅力的な女性なのです。
そうやって意識を現実から遠ざけることで、プレシャスは
想像を絶する苦しみに耐え生き抜いてきたのでした。

ある日、訳ありの子ども達ばかりが通うフリースクールで
一人の教師と出会うことをきっかけにプレシャスの人生が変化していきます。
読み書きがほとんど出来なかった彼女が「教育によって自分の力を
実感し、自立を夢見る」ようになったのです。
しかし、プレシャスには更に過酷な現実が待っているのですが...

原作は「Push」という小説です。
あらすじからも分かる通り、とてもヘビーな内容を扱ったお話です。
作者のSapphireさんがハーレムで教師をしていた頃に出会った
子ども達がモデルになっているとのことでした。
つまり、プレシャスは悲しい経験をした何人もの子ども達が
合わさっているキャラクターなのでしょうね。

私自身はこれが絵空事とは思えませんでした。
きっと世界中のどこかで起きているまぎれもない現実。そう思います。

映画の中で印象的だったのは、「Push yourself」というセリフです。
プレシャスがフリースクールに通い始め、級友達と「読み書き」の
勉強を始めるのですが、ちゃんとした勉強をしたことがない子ども達は
書くことがないし、書けない。
担任のレイン先生に「とにかく書きなさい」と叱咤激励されます。
私の記憶に間違いなければ、その時のレイン先生のセリフです。

私なりの解釈ですが、「(あなたたちにはハードルが高いことだけど)
ふんばってやってみて
」そんな風に受け止めました。

映画を観て、貧困や無知が引き起こすトラブルから脱出するには「教育」しかないことを実感しました。
そして、教育を受けるための、子どもの安全が守られる「社会システム」が必要です。

ストーリー後半でプレシャスを虐待してきた母親も、先代の大人達の
犠牲者であることが描かれています。
プレシャスの姿は、かつての母親の姿なのです。
虐待が虐待を呼ぶ悲劇。


負の連鎖は、どこかで気づいたものが断ち切るしかありません。

Push Yourself.なのです。


Posted by ハート・リトリート
comment:4   trackback:0
[虐待]  thema:生きること - genre:心と身体
| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。